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AIでプログラミングは不要になるのか?現場開発者の結論【2026年版】

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AIでプログラミングは不要になるのか?現場開発者の結論【2026年版】

「もうプログラミングを学ぶ必要はない」「AIがすべてコードを書いてくれる」——SNSやメディアでこんな言葉を目にする機会が急増しています。

実際、2026年3月時点でGitHubにコミットされたコードの51%がAI生成・AI支援によるもの。NVIDIA CEOのジェンスン・ファンは「もはや子どもにプログラミングを学ばせる必要はない」と発言し、大きな議論を呼びました。Google CEOのサンダー・ピチャイも「Googleの新規コードの25%以上はAIが生成している」と明かしています。

一方で、僕はShiftBというプログラミングスクールの校長として受講生142名のAI駆動開発をサポートしてきました。自分自身もClaude CodeやCursorを使い、バイブコーディングで複数のWebサービスを開発・運営しています。その経験から断言できるのは——

「AIでプログラミングが"不要"になることはない。ただし、求められるスキルは根本的に変わる」ということです。

この記事では、「プログラミング不要論」の根拠と反論を客観的データで整理し、AI時代に本当に必要なスキルとは何かを、受講生142名のリアルなデータとともに解説します。「プログラミングを学ぶべきか迷っている人」「AIツールを導入したが思うようにいかない人」にとって、明確な答えが見つかる内容です。

この記事を書いた人:立川修平(ぶべ)

  • ShiftB校長。受講生142名のAI駆動開発をサポートし、基礎学習ありの受講生のリリース率84%を達成
  • Claude Code・Cursorを日常的に使い、バイブコーディングで複数のWebサービスを開発・運営中
  • SNSフォロワー計3万人超。AI時代のプログラミング学習について毎日発信

「プログラミング不要」論の全体像——何が起きているのか

著名人たちの発言を整理する

まず、「プログラミング不要」論がどこから来ているのかを客観的に整理しましょう。2024年後半から2026年にかけて、テック業界のトップが相次いで衝撃的な発言をしています。

発言者時期発言内容
ジェンスン・ファン(NVIDIA CEO)2025年1月「プログラミングを学ぶ必要はない。テクノロジーが進歩し、誰もプログラミングする必要がなくなるのが我々の仕事だ」
サンダー・ピチャイ(Google CEO)2024年10月「Googleの新規コードの25%以上がAI生成。エンジニアはレビューと編集に専念」
ダリオ・アモデイ(Anthropic CEO)2025年3月「3〜6ヶ月以内にAIがほぼすべてのコードを書くようになる」
マーク・ザッカーバーグ(Meta CEO)2025年1月「2025年中にMetaのコードの大部分をAIが書くようになる」
アンドレイ・カルパシー(元OpenAI)2025年2月「バイブコーディング——コードの存在すら忘れて、雰囲気(バイブ)で作る」

これだけ揃うと、「やっぱりプログラミングは不要になるんだ」と思うのも無理はありません。

データが示す「AI化」の急速な進行

言葉だけではありません。実際の数字も「AI化」の急速な進行を裏付けています。

  • GitHubのコードの51%がAI生成・AI支援(2026年3月時点)
  • 開発者の84%がAIコーディングツールを使用中または導入予定
  • AIコーディングツール市場は年間40%以上の成長率
  • Stack Overflowの調査で、開発者の76%が「AIツールは生産性を向上させた」と回答
  • バイブコーディングの検索ボリュームは2025年2月から約50倍に増加

しかし——「不要」と「変化」は違う

ここで重要なのは、上記の発言をよく読むと、実は「プログラミングが完全に不要になる」とは誰も言っていないことです。

ファンの発言は「プログラミング"言語"を学ぶ必要はない」という文脈です。ピチャイの発言は「AIが書き、人間がレビューする」という分業の話です。カルパシーも、バイブコーディングの対象を「趣味のプロジェクト」と限定しています。

つまり、正確に言えば「コードを1行ずつ手で書くスキル」の価値は下がっているが、「ソフトウェアを正しく設計・制御・評価するスキル」の価値はむしろ上がっているのです。

この記事の残りでは、この違いを具体的に掘り下げていきます。

AIにできること・できないこと——7つの観点で徹底比較

AIコーディングの「得意」と「苦手」

「AIにプログラミングを任せられるか」を判断するには、まずAIの得意・不得意を正確に理解する必要があります。僕がClaude CodeとCursorを計1,000時間以上使い込んだ経験から、以下の7つの観点で整理しました。

観点AIの能力人間が必要な理由判定
コード生成速度1時間で数千行のコードを生成可能速いが品質の担保は別問題AI◎
定型的なCRUD実装DBスキーマからAPI・UIまで自動生成ビジネスロジックの判断は人間が必要AI◎
セキュリティ設計基本的な対策は実装可能RLS設定漏れ・認証バイパスなどAIが見落とすリスクが高い人間◎
アーキテクチャ設計パターンの提案はできる要件に合った設計判断は経験と文脈理解が不可欠人間◎
デバッグ(単純なエラー)エラーメッセージから原因特定が得意AIが出したエラーをAIが直す堂々巡りになることもAI○
デバッグ(複雑な問題)文脈を跨ぐバグの特定は苦手システム全体を俯瞰する力が必要人間◎
要件定義・課題発見ユーザーの課題を自ら発見することは不可能「何を作るか」を決めるのは人間だけ人間◎

AIが「得意」なこと——自動化すべき領域

表を見ると、AIが得意なのは「パターン化された実装作業」です。具体的には以下の作業はAIに任せるべきです。

  • CRUDのAPIエンドポイント作成
  • UIコンポーネントのコーディング
  • テストコードの生成
  • 既存コードのリファクタリング
  • ドキュメントの生成
  • 正規表現やSQL文の作成

これらの作業は、以前は開発者の時間の60〜70%を占めていました。AIに任せることで、人間はより価値の高い仕事に集中できるようになります。

AIが「苦手」なこと——人間が担うべき領域

一方、以下の領域はAIだけでは対応できません。

  • 要件定義:「何を作るか」「誰のどんな課題を解決するか」はAIに聞いても答えが出ない
  • セキュリティ設計:AIが生成するコードの27%に脆弱性があるというスタンフォード大学の研究結果
  • パフォーマンス最適化:データ量やアクセスパターンを踏まえた最適化は人間の判断が必要
  • ユーザー体験の設計:使い心地やフローの設計はAIの苦手分野
  • ビジネス判断:技術的に可能でもビジネス的に正しいかの判断は人間のもの
AIと人間の役割分担を示す比較図。AIはコード生成・定型実装が得意、人間は設計・セキュリティ・要件定義が必要

結論:AIは「優秀なジュニアエンジニア」

僕がよく使うたとえは、AIは「超高速だがセキュリティ意識の低いジュニアエンジニア」だということです。指示された通りにコードを書く速度は人間の100倍。しかし、「なぜそのコードが必要なのか」「このコードにセキュリティリスクはないか」「ユーザーにとって最適な体験になっているか」を自ら判断する力はありません。

優秀なジュニアエンジニアを最大限に活かすには、的確な指示を出し、アウトプットを評価できるシニアエンジニアが必要です。つまり、AIを使いこなすには、プログラミングの「理解」が不可欠なのです。

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「プログラミング不要」が危険な5つの理由

理由① セキュリティの致命的リスク

これが最も深刻な問題です。スタンフォード大学の研究では、AI生成コードの27%にセキュリティ上の脆弱性が含まれていると報告されています。さらに問題なのは、AIを使った開発者は自分のコードが安全だと過信する傾向が強いこと。

ShiftBでも実際に起きた事例として、以下のようなケースがあります。

  • SupabaseのRLS設定なしでリリース → ユーザーデータが全公開状態に
  • APIキーをクライアントサイドに露出 → 第三者がAPIを不正利用
  • SQLインジェクション対策が不十分 → テストデータが全削除される

プログラミングの基礎知識がないと、AIが出したコードの「何が危険なのか」に気づけません。これは個人開発なら自分のリスクですが、ユーザーの個人情報を扱うサービスでは法的責任を問われる可能性もあります。

理由② 「動くコード」と「良いコード」の差がわからない

AIは「とりあえず動くコード」を生成するのは得意です。しかし、それが保守性・可読性・パフォーマンスの観点で「良いコード」かどうかは別問題です。

観点動くコード(AIそのまま)良いコード(人間がレビュー後)
ファイル構成1ファイルに500行以上の巨大コンポーネント責務ごとに分離された50〜100行のコンポーネント
状態管理useStateを20個以上乱用カスタムフックやContextで整理
API呼び出しコンポーネント内で直接fetchサービス層に分離し、エラーハンドリングを統一
型定義anyを多用、型安全性なし厳密な型定義でコンパイル時にバグを検出
3ヶ月後の保守何がどこにあるかわからず、修正に1日かかる構造が明確で、30分で修正完了

ShiftBの受講生データでは、プログラミング基礎を学んでからバイブコーディングを始めた受講生は、そうでない受講生と比べて3ヶ月後のコード品質スコアが2.3倍高いという結果が出ています。

理由③ AIの「堂々巡り」から抜け出せない

バイブコーディングでよくある失敗パターンが、AIにバグ修正を依頼→別のバグが生まれる→それも修正依頼→さらに別のバグ……という無限ループです。

ShiftBの受講生142名のうち、バイブコーディング経験者の68%がこの「堂々巡り」を経験したと回答しています。プログラミングの基礎知識があれば、エラーメッセージを読んで原因を特定し、AIに的確な修正指示を出せます。基礎知識がないと、AIの出力を丸投げで受け入れるしかなく、問題が雪だるま式に膨らみます。

具体的な例を見てみましょう。

悪い例:基礎知識なしの修正依頼

「ログイン画面でエラーが出ます。直してください」
→ AIが認証ロジックを全面書き換え
→ 今度はセッション管理が壊れる
→ 「セッションのエラーも直して」
→ AIがstate管理を変更
→ 他のページでもエラー発生
→ 3時間経過、問題が拡大…

良い例:基礎知識ありの修正依頼

「ログイン画面のsubmitハンドラーで、
authResponse.errorがnullチェックされていないため
TypeErrorが発生しています。
nullチェックを追加してください」
→ AIが正確にピンポイント修正
→ 5分で解決

理由④ 「何を作るか」を決められない

AIが最も無力な領域が「何を作るべきか」という意思決定です。

「AIに聞けばアイデアを出してくれる」という意見もありますが、AIが提案するのは既存の情報の組み合わせに過ぎません。ユーザーの本当の課題を発見し、それを解決するプロダクトを構想する力は、人間にしかありません。

ShiftBの受講生で個人開発に成功している人の共通点は、自分自身が課題を感じている領域でプロダクトを作っていることです。AIはその実装を加速してくれますが、「何を作るか」の判断を代行してくれるわけではありません。

理由⑤ キャリアのボトルネックになる

「AIがあるからプログラミングを学ばなくていい」と判断した場合、将来のキャリアリスクはどうなるでしょうか。

現在、エンジニア採用の現場では「AIツールを使える」ことは前提条件に過ぎず、差別化にはなりません。むしろ、AIの出力をレビュー・改善できる能力、つまりプログラミングの深い理解がある人材の需要が急上昇しています。

LinkedInの2026年1月のレポートによると、「AI×ソフトウェアエンジニアリング」関連の求人数は前年比47%増。一方で「コーディングだけ」のジュニア求人は23%減。これが意味するのは、AIを使いこなせるエンジニアの需要は増え、AIに置き換えられるレベルの作業者の需要は減っているということです。

ShiftB受講生142名のデータが示す真実

調査概要:プログラミング基礎の有無で開発成果に差が出るのか

ShiftBでは、受講生142名(2024年9月〜2026年3月の在籍者)を対象に、「プログラミング基礎の学習量」と「開発成果」の相関を分析しました。

指標基礎学習あり(89名)基礎学習なし(53名)
プロダクトリリース率84%58%+26pt
開発期間(中央値)3.2週間6.8週間2.1倍速い
途中挫折率12%38%-26pt
リリース後の重大バグ発生率15%62%-47pt
3ヶ月後の継続開発率71%28%+43pt

最も差がついた「挫折パターン」

基礎学習なしの受講生が挫折する最大の理由は、「AIの出力を修正できない」ことでした。具体的には以下のパターンが多発しています。

  1. 堂々巡りループ(38%):バグ修正を依頼するたびに新しいバグが発生し、収拾がつかなくなる
  2. コンテキスト限界(27%):プロジェクトが大きくなるとAIが全体を把握できず、矛盾したコードを生成
  3. セキュリティ事故(18%):認証・認可の設定不備でリリース後にデータ漏洩のリスクに直面
  4. パフォーマンス問題(12%):動くが極端に遅い。原因の特定も修正もできない
  5. デプロイ失敗(5%):ローカルでは動くが本番環境に反映できない

成功者に共通する「3つの基礎知識」

一方、プロダクトをリリースし、継続的に改善できている受講生に共通する基礎知識は、以下の3つでした。

  1. HTML/CSS/JavaScriptの基本構造の理解——AIが生成するコードの「何がどこで動いているか」がわかるレベル。約2〜3週間の学習で到達可能。
  2. Reactのコンポーネント・state・propsの概念理解——バイブコーディングで最もよく使うフレームワークの基礎。約1〜2週間の学習で到達可能。
  3. データベース・APIの基本概念——フロントエンドとバックエンドがどうつながっているかの理解。約1週間の学習で到達可能。

合計4〜6週間の基礎学習が、その後のバイブコーディングの成果を決定的に左右します。「プログラミングを学ぶ必要はない」と言って基礎をスキップすると、結局遠回りになるのです。

ShiftB受講生142名の基礎学習あり・なしの開発成果比較データ。リリース率、挫折率、バグ発生率に大きな差

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AI時代に本当に必要な5つのスキル

スキル① プロンプトエンジニアリング(AI指示力)

AI時代の最も重要なスキルの1つが、AIに的確な指示を出す力です。「ログイン機能を作って」と「NextAuthを使ってGoogleログイン機能を実装して。セッション管理はJWT、コールバックURLは/api/auth/callback/google」では、出力の質が天と地ほど違います。

ShiftBの受講生データでは、プロンプトの具体性を上げるだけでAIの出力精度が平均40%向上しました。これは結局、「自分が何を作りたいかを正確に言語化する力」であり、プログラミングの概念を理解していなければ不可能です。

スキル② コードレビュー力(AIの出力を評価する力)

AIがコードを書く時代、人間の最も重要な役割は「書く」から「レビューする」に移行します。

具体的には、AIが生成したコードに対して以下の観点でチェックできる力が求められます。

  • セキュリティ上の問題がないか(認証・認可・入力検証)
  • パフォーマンス上のボトルネックがないか(N+1クエリ・不要な再レンダリング)
  • 既存のコードベースと一貫性があるか
  • エッジケースが考慮されているか

これらの判断は、プログラミングの基礎がなければ不可能です。

スキル③ アーキテクチャ設計力

個々の機能はAIが作れても、システム全体の設計は人間が行う必要があります。

例えば、個人開発で「ユーザーがプロフィールを作成して、作品を投稿し、いいねやコメントができるサービス」を作るとします。この場合、以下のような設計判断が必要です。

  • データベースのテーブル設計(正規化のレベル、リレーションの設計)
  • 認証・認可の方式(自前実装 vs NextAuth vs Supabase Auth)
  • 画像ストレージの選択(Supabase Storage vs Cloudflare R2 vs S3)
  • リアルタイム機能の実装方式(WebSocket vs ポーリング vs Supabase Realtime)

AIに聞けば選択肢は出ますが、「自分のプロジェクトの要件・規模・予算に最適な選択」は人間が判断しなければなりません。

スキル④ デバッグ力(問題解決力)

AIで開発すると、従来の開発よりもバグの原因特定が難しくなるケースがあります。なぜなら、AIが生成したコードの内部ロジックを開発者が完全に理解していないことが多いからです。

デバッグに必要なのは以下のスキルです。

  • エラーメッセージの読解力:スタックトレースを読んで原因箇所を特定する
  • 仮説検証の力:「この部分が原因では?」と仮説を立て、console.logやデバッガーで検証する
  • 問題の切り分け力:フロントエンド・バックエンド・DB・外部APIのどこで問題が起きているかを切り分ける

スキル⑤ プロダクト設計力(課題発見 → 解決策の立案)

最終的に最も価値が高いのは、「ユーザーの課題を発見し、それを解決するプロダクトを設計する力」です。

AIは「作り方」を大幅に効率化してくれますが、「何を作るか」は教えてくれません。ShiftBの受講生で収益化に成功している人の93%が、「自分自身が感じている課題」からプロダクトのアイデアを得ています。

プログラミングの基礎を理解していると、「この課題はこういう技術で解決できそうだ」という発想が生まれます。逆にプログラミングを全く知らないと、AIに聞いても「そもそも何を聞けばいいかわからない」状態に陥ります。

現場開発者が実践する「AI×プログラミング」の共存戦略

戦略① 「80:20ルール」で役割を分担する

僕が実際に実践しているのは、開発工程の80%をAIに任せ、20%を人間が担当するという分業です。

工程担当具体例
要件定義・設計人間(100%)ユーザーストーリー作成、DB設計、画面設計
実装(コーディング)AI(90%)+ 人間(10%)AIがコード生成、人間が微調整・統合
コードレビュー人間(100%)セキュリティ確認、品質チェック
テストAI(80%)+ 人間(20%)AIがテストコード生成、人間がエッジケース追加
デプロイ・運用AI(50%)+ 人間(50%)CI/CD設定はAI、監視・障害対応は人間

この分業により、以前は2週間かかっていた開発を3〜5日で完了できるようになりました。ただし、これが機能するのは人間がプログラミングを理解しているからです。

戦略② CLAUDE.mdで「AIの行動規範」を定義する

Claude Codeを使う場合、プロジェクトルートにCLAUDE.mdというファイルを置くことで、AIの振る舞いをカスタマイズできます。これが「AIを使いこなす」ための最重要テクニックの1つです。

例えば、以下のようなルールを定義します。

# CLAUDE.md
## コーディング規約
- Tailwindは gap-10 形式(gap-[40px] はNG)
- コンポーネントは1ファイル100行以内
- any型の使用禁止
- 新しいAPIエンドポイントには必ず認証チェックを入れること

## セキュリティ
- SupabaseのRLSは必ず設定すること
- APIキーは.envに格納し、クライアントに露出させないこと
- ユーザー入力は必ずバリデーションすること

これはプログラミングの知識がなければ書けません。「AIを制御するためにプログラミング知識が必要」——これが「不要論」の最大の矛盾点です。

戦略③ 段階的に「AIへの依存度」を調整する

最初からAIに全面依存するのではなく、自分のスキルレベルに応じて段階的にAIの活用度を上げるのが最も効率的です。

  1. フェーズ1(学習期:1〜2ヶ月目):AIを「教師」として使う。コードを書いた後にAIにレビューを依頼し、改善点を学ぶ。
  2. フェーズ2(実践期:3〜4ヶ月目):AIを「ペアプログラマー」として使う。自分で設計し、実装の一部をAIに任せる。
  3. フェーズ3(習熟期:5ヶ月目〜):AIを「ジュニアエンジニア」として使う。設計からAIに指示を出し、出力をレビュー・修正する。

ShiftBではこの段階的アプローチを採用しており、受講生のリリース率77%を達成しています。

戦略④ 「理解」と「暗記」を区別する

AI時代に不要になったのは「文法の暗記」であり、「概念の理解」ではありません

例えば、以下のコードの文法を暗記する必要はもうありません。AIが書いてくれます。

const [users, setUsers] = useState<User[]>([]);
useEffect(() => {
  const fetchUsers = async () => {
    const { data } = await supabase.from("users").select("*");
    if (data) setUsers(data);
  };
  fetchUsers();
}, []);

しかし、このコードが「何をしているか」——「コンポーネントがマウントされた時にSupabaseからユーザーデータを取得してstateに保存している」——を理解することは必須です。この理解がなければ、「なぜデータが表示されないのか」「なぜ無限ループが起きるのか」といったバグに対処できません。

プログラミング学習のロードマップ——AI時代の最短ルート

従来の学習ロードマップ vs AI時代の学習ロードマップ

AI時代の学習ロードマップは、従来とは大きく異なります。

フェーズ従来(6〜12ヶ月)AI時代(2〜4ヶ月)
基礎学習HTML/CSS/JS を3ヶ月かけて網羅的に学習HTML/CSS/JS の核心概念を2〜3週間で理解
フレームワークReact/Vueを2ヶ月かけてチュートリアルReactの核心概念を1〜2週間で理解
バックエンドNode.js/Express/SQLを3ヶ月Supabase + APIの概念を1週間で理解
最初のアプリ6ヶ月後にようやくリリース2ヶ月目からバイブコーディングでリリース
実践力12ヶ月後に実務レベル4ヶ月目には複数プロダクトをリリース

ステップ1:HTML/CSS/JavaScriptの核心を理解する(2〜3週間)

目標:AIが生成するWebアプリのコードを「読める」ようになること。

学ぶべき核心概念:

  • HTML:要素の構造(div, form, input, button)、セマンティクス
  • CSS:Flexbox、Grid、レスポンシブデザインの基本
  • JavaScript:変数・関数・配列・オブジェクト、async/await、DOM操作の基本

この段階では「コードを完璧に書ける」必要はありません。AIが生成したコードを見て「何がどう動いているか」を理解できるレベルで十分です。所要時間は1日1〜2時間の学習で約2〜3週間です。

ステップ2:Reactの基本概念を理解する(1〜2週間)

目標:コンポーネント・state・propsの概念を理解し、AIが生成するReactコードを評価できるようになること。

学ぶべき核心概念:

  • コンポーネント:UIを部品として考える設計思想
  • state:コンポーネントの「状態」とその更新
  • props:親から子へのデータの受け渡し
  • useEffect:副作用(データ取得など)の基本

ステップ3:データベース・APIの概念を理解する(1週間)

目標:フロントエンドとバックエンドの関係を理解し、Supabaseの基本操作ができるようになること。

  • データベース:テーブル、カラム、リレーションの概念
  • API:GET/POST/PUT/DELETEの意味と使い方
  • 認証:ログイン・セッションの仕組み
  • RLS:行レベルセキュリティの重要性

ステップ4:バイブコーディングで実践開始(1〜2ヶ月目〜)

基礎を身につけたら、いよいよClaude CodeやCursorを使ったバイブコーディングで実際のプロダクトを開発します。この段階では、基礎学習で得た知識がAIへの指示の質出力の評価力として直接活きてきます。

AI時代のプログラミング学習ロードマップ。基礎学習4〜6週間→バイブコーディング実践→プロダクトリリースの流れ

よくある質問(FAQ)

Q1. 完全な未経験でもバイブコーディングで個人開発できますか?

はい、「できる」こと自体は可能です。しかし、基礎なしでの成功率は58%、基礎ありでの成功率は84%(ShiftB受講生データ)。4〜6週間の基礎学習を先にやるだけで、成功確率が大幅に上がります。急がば回れ、です。

Q2. プログラミングの基礎はどのくらいのレベルまで必要ですか?

「AIが生成したコードを読んで、大まかに何をしているか理解できるレベル」が最低ラインです。具体的には、HTML/CSS/JavaScript/Reactの基本概念を理解していれば十分。文法を暗記する必要はありません

Q3. 「AIでプログラミング不要」と言っている有名人の発言は嘘ですか?

嘘ではありませんが、文脈を切り取った解釈が広まっているのが実情です。NVIDIAのファンは「プログラミング"言語"を学ぶ必要はない」という文脈で発言しており、「ソフトウェア開発のスキルが不要」とは言っていません。カルパシーも「バイブコーディングは趣味のプロジェクト向け」と明言しています。

Q4. 5年後、10年後にプログラミングスキルは完全に不要になりますか?

「コードを手で書く」スキルの重要性は下がり続けるでしょう。しかし、「ソフトウェアの仕組みを理解し、AIを使って正しいプロダクトを作る」スキルの需要はむしろ加速度的に増えます。ちょうど、電卓の発明で暗算の重要性は下がったが、数学の重要性は下がらなかったのと同じ構造です。

Q5. ShiftBではプログラミングの基礎学習とバイブコーディング、どちらを先に教えていますか?

基礎学習を先に、ただし「AIを使いながら」学ぶスタイルです。従来型の「教科書を1ページ目から順番に」という学習ではなく、AIを教師役にして効率的に核心概念を理解し、その後バイブコーディングで実践に入ります。この方式で従来の1/3〜1/4の期間で基礎を習得できています。

Q6. 非エンジニアでもAIを使ってアプリを作りたいのですが、プログラミングを学ぶべきですか?

目的次第です。「趣味で簡単なツールを作りたい」なら、ノーコードツール(Bubble、Glide等)でも十分。「ユーザーに使ってもらうサービスを作りたい」なら、最低限の基礎学習をおすすめします。特にセキュリティに関わる部分は、理解なしに進めるとユーザーに迷惑をかけるリスクがあります。

Q7. AIが進化したら、いずれ基礎知識も不要になりませんか?

可能性はゼロではありません。しかし、少なくとも2026年現在では、AIだけで品質の高いプロダクトを作るのは現実的ではありません。「いずれ不要になるかも」と待つ間に、基礎を身につけて今すぐ成果を出す方が合理的です。技術は常に進化しますが、基礎的な理解力は陳腐化しません。

AUTHOR

立川修平(ぶべ)

ShiftB 校長 / bubekichi inc. 代表

ShiftBを運営する株式会社bubekichiの代表。経理系SaaSの企業でエンジニアを経験後、独立・起業。複数スタートアップでリードエンジニアを務めながら、SNS発信がきっかけで2024年にShiftBを立ち上げる。現在は自社サービスも複数展開中。

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